【第7回ワーク・ライフ・バランス大賞 優秀賞受賞】
藤田保健衛生大学病院 病院長
湯澤 由紀夫
1981年 名古屋大学医学部卒業後、名古屋第一赤十字病院にて卒後臨床研修を経て内科勤務。1987年7月より3年間、米国ニューヨーク州立大学バッファロー校 病理学教室に留学。帰国後、2010年3月まで名古屋大学大学院病態内科学講座腎臓内科学に勤務。2007年同大学特命教授、2009年准教授を経て、2010年4月 藤田保健衛生大学医学部腎内科学教授着任、同年5月より藤田保健衛生大学病院 副院長を兼務、2014年4月より病院長を就任し現在に至る。
働きやすい職場環境が医療の質向上へ
藤田保健衛生大学病院(以下、当院)は、愛知県豊明市に所在する病床数1,505床を有する医療系総合学園であり、特定機能病院、災害拠点病院の機能を有し、23の診療科を標榜し、医師をはじめとする21の専門職からなる2,814名の病院職員で成り立っている。その内、看護部職員は1,451名と半数以上を占め9割が女性職員という特色がある。医療現場に求められることは、24時間変わらぬ質の医療を継続して提供することである。そのためには、そこに働く職員の「労務の質」と「医療の質」のバランスを保つ重要性が求められている。
当院看護部では、1981年に創設者より、「看護師の3交代勤務制は人間の夜・昼型タイプの行動パターンを活用していない。深夜に往来の求められる3交代制は女性に適正でない。」との提言を受け、看護師の生活時間がフレキシブルに活用される勤務体制の構築を試み現在に至る。多様な勤務体制の導入や看護提供体制の変更、看護業務内容の整備などを行い推進したことで結婚・妊娠・出産による退職者が減少し、更には離職率が改善され、平均勤続年数が延長してきている。
今後は、子育て期の職員のみならず中高年期などのライフステージの各段階に応じた支援を実現させていきたい。